薬剤の知識も求められる介護職

老人福祉施設などで働くことを希望している人は、薬に関する知識を持つことも大切だ。なぜなら、自分では薬の管理を行うことができない高齢者もたくさんいるからだ。中には、定期的に服用することが面倒になって、まったく薬を飲まなくなってしまう高齢者もいる。さらに、薬の種類や飲む回数を把握できずに、間違った分量の薬を服用する人もいるので危険性もある。そのため、施設内で安全に過ごしてもらえるように、介護職が服薬のサポートをしなければならない場合も少なくないのだ。

特に、認知症の高齢者が利用する老人福祉施設では、服薬介助は欠かせない。認知機能が低下していると、薬を過剰に飲む怖れもあるので、手の届かない安全な場所に保管し、配薬も介護士が手伝うことになる。

尚、介護職が高齢者の服薬を介助する場合は、安全に介助するためにも、薬に関する知識を得ておくことが重要だ。薬は錠剤や粉薬、カプセルなど、形態が異なるので、それぞれの特徴を把握しよう。そして、錠剤やカプセルを飲みにくいと感じる高齢者には、ゼリーに混ぜて服用させる方法がおすすめだ。また、粉薬はオブラートに包むと飲みやすくなる。また、飲み薬の介助だけではなく、軟膏や湿布などを患部に貼る場合は、湿疹やかぶれなどがないかも確認しなければならない。服薬介助は、利用者の健康管理に大きく影響を及ぼす作業なので、ミスなく安全に行うためにも、正しい知識を身につけて、行うようにすることが大切だ。