個人情報に配慮した服薬のサポートを!

介護の現場では、疾病や発作を抱える高齢者や障害者が服薬する場合が多く、介護職員は薬に関する業務に携わることもある。服薬介助には、薬の知識が豊富な看護師や薬剤師が適任だが、大きな施設でない限り、薬剤師が介護施設に常駐しているケースは少なく、夜間は看護師がいないこともある。そのため、多くの場合は、介護職が担当する利用者の服薬を正確に把握して、適切な量と種類を提供しなければならないのだ。

ただし、その際には、注意しなければならない点がいくつかある。まず、他人の薬と取り違えのないよう配慮することだ。すべての薬袋には利用者の名前を大きく書いて、厳重に管理しなければならない。ただし、利用者の個人情報は守るようにしよう。服用している薬の種類を見れば、何の病気を抱えているか判明してしまうので、名前を記した薬袋が他の利用者の目に晒されないようにしなければならない。また、小さな錠剤は散逸しやすいので、数もきちんとその都度確認すべきだ。

それから、認知症の高齢者や知的障害のある方は、薬を取り落としたり、床にばら撒いたりすることも珍しくない。床に落ちていた薬を他の利用者が拾って飲んでしまうと、健康に影響を及ぼしかねないので気をつけよう。そして、担当する利用者に薬を服用してもらう場合は、飲み込んでしまうまでしっかりと見届けることも大切だ。中には、飲み込んだふりをする方もいるので、可能なら口を開いてもらって、確認するほうが確実だろう。